清涼飲料水って?ミネラルウォーターの違いは?

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透明なのに、水じゃない。

近年スーパーやコンビニでは、桃やみかんなど果実の風味があるペットボトルの水をよく見かけるようになりました。

その商品を手に取るとラベルに「清涼飲料水」と表記されており「なんで清涼飲料水なの?」「ミネラルウォーターとどう違うの?」と疑問に思うことはないでしょうか。

そこで今回は、清涼飲料水とミネラルウォーターの違いを分かりやすく紹介します。

清涼飲料水の注意点も紹介しているので、水分補給をする際はぜひ参考にしてください。


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清涼飲料水とは何?

食品衛生法によると、アルコール飲料や乳製品以外のすべての飲み物は清涼飲料水に分類されます。

清涼飲料水という名前から、爽やかで口当たりのサッパリした飲み物をイメージしますが、私たちが一般的に呼ぶ「ジュース」も清涼飲料水のひとつなのです。

代表的な清涼飲料水を一覧にまとめました。

【代表的な清涼飲料水】
・コーヒー
・紅茶や緑茶などお茶系の飲み物
・炭酸
・果実の飲み物(果汁100%未満)
・豆乳

コーヒーや紅茶なども清涼飲料水であるため、意外と思われたかしれません。

ここで気になるのが、アルコール飲料でも乳製品でもないミネラルウォーターは清涼飲料水ではないのかというところ。

確かにミネラルウォーターは清涼飲料水に分類されますが、販売されているミネラルウォーターのラベルには清涼飲料水と記載されていません。

ラベルには、ナチュラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターと記載されていることが多くあります。

清涼飲料水とナチュラルミネラルォーターの違いを次の項目で紹介しますね。


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清涼飲料水とミネラルウォーターとの違い

農林水産省によると、地下水などが容器に入ったものの中で水だけが原材料になっているものだけがミネラルウォーターといいます。

つまり水以外の果汁や糖類などが含まれれば、ミネラルォーターではなく清涼飲料水となるのです。

そのため私たちがスーパーやコンビニでよく見かける、桃やみかんの風味がついている水は、清涼飲料水に分類されます。

またミネラルォーターにも種類があり、農林水産省のガイドラインで分類されています。


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ミネラルウォーターの種類

農林水産省のミネラルウォーターのガイドラインによると、採取した水の処理方法や含まれるミネラルの量によって、4つに分類されます。

【ミネラルウォーターの種類】

・ナチュラルウォーター

・ナチュラルミネラルウォーター

・ミネラルウォーター

・ボトルドウォーター

4つの種類を詳しく紹介しますね。

ナチュラルウォーター

ナチュラルウォーターは、特定の水源から採取した水にろ過処理・沈殿処理・加熱処理のいずれかを行った水のことです。

ナチュラルウォーターに含まれるミネラルの量は少なく、飲みやすいのが特徴です。

ナチュラルミネラルウォーター

ナチュラルミネラルウォーターは、ナチュラルウォーターよりもミネラルが豊富に含まれているのが特徴です。

なぜミネラルが豊富なのかというと、雨水や雪解け水が地表から浸透し、水が地下を移動や停滞しているときに、地層の中に含まれる無機塩類が溶けて水に含まれるからです。

ナチュラルウォーターと同じように、特定の水源から採取した水にろ過処理・沈殿処理・加熱処理のいずれかを行っています。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターは、ナチュラルミネラルウォーターを原料としてろ過処理・沈殿処理・加熱処理の他に、何かしらの工程が加えられたものをいいます。

具体的には、ミネラル成分の調整、複数の水源のナチュラルウォーターをブレンド、ばっ気(液体に空気中の成分を吹き込むこと)などがあります。

ボトルドウォーター

ボトルドウォーターは、ナチュラルウォーター・ナチュラルミネラルウォーター・ミネラルウォーターに当てはまらない、飲める水のことをいいます。

ボトルドウォーターは、採取した水の処理方法に規定はありません。

ちなみに水道水がボトルドウォーターに当てはまります。


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ミネラルウォーターの特定の水源ってどこ?

ミネラルウォーターは特定の水源で水を採取していますが、特定の水源がどこなのか気になりますよね。

厚生労働省によると、特定の水源とは「水量、水質において安定した地下水が供給可能な単独水源」とされています。

特定の水源は7つあります。

1.浅井戸水

浅井戸からポンプ等により取水した地下水

2.深井戸水

深井戸からポンプ等により取水した地下水

3.湧水

不圧(自由面)地下水、被圧地下水の区分によることなく、ひとりでに吹き出ている地下水

4.鉱泉水

ひとりでに吹き出ている地下水のうち水温が25℃未満の地下水であり、かつ、溶存鉱物質等(水に溶け込んでいるミネラル)により特徴付けられる地下水

5.温泉水

ひとりでに吹き出ている地下水のうち水温が25℃以上の地下水、又は、温泉法第2条に規定される溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水のうち飲用適のもの

6.伏流水

上下を不透水槽にはさまれた透水層が河川と交わるとき透水層内に生じる流水

7.鉱水

ポンプ等により取水した地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水

天然水の場合は加熱殺菌の処理がしてあるのですが、水道水のように塩素処理はしていません。ペットボトルのミネラレルウォーターの場合は、口を開けると雑菌が繁殖しやすくなります。よって日持ちもしないためすぐに飲み切るようにしたほうが安全です。

塩素処理をした水道水に含まれる残留塩素は細菌の繁殖を抑えたり、病原性の菌の感染力を失わせる効果があります。カルキ臭が原因でもありますがこのおかげで水の安全性を保っています。

【参考文献】

『ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン』全国清涼飲料連合会

ミネラルウォーターは、水源である地域の土地や気候条件などによって、品質や成分が異なります。


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清涼飲料水とミネラルウォーターを見分ける方法

清涼飲料水とミネラルウォーターを見分ける方法は、ペットボトルにあるラベルを確認することです。

ペットボトルには必ずラベルがあり、ラベルには「名称」「種類」といった項目があります。

アルコールや乳製品以外で、水以外の果汁や糖分が含まれていれば清涼飲料水、水だけを原料としたものであればナチュラルウォーターやナチュラルミネラルウォーターと表記されています。


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清涼飲料水の飲み過ぎには注意しよう

清涼飲料水の含まれている成分によっては、飲みすぎると身体に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。

どの成分にどういった影響があるのかを紹介します。

砂糖

清涼飲料水には砂糖が含まれているものがあり、ラベルには「果糖」と表記されています。

砂糖の摂りすぎは肌荒れや消化不良といった、身体の不調を引き起こすリスクがあることが分かっています。

また砂糖が体内でブドウ糖になることで、血糖値が上昇します。

ブドウ糖

ブドウ糖は砂糖よりも体に吸収されるスピードが速く、血糖を上昇させます。

身体を動かすために適度な血糖は必要ですが、常にブドウ糖を摂取し血糖値が高い状態が続くと、血糖値のコントロールが上手くできなくなってしまい糖尿病を引き起こすリスクがあります。

カフェイン

コーヒーや紅茶などのお茶類にはカフェインが含まれています。

カフェインは目覚めが良くなることや、適度な量は身体によいとされていますが、利尿作用があるため摂りすぎには注意が必要です。

気温が高くたくさん汗をかいた日にカフェインを摂ると、利尿作用により体内の水分がさらに失われ、脱水となるリスクが高まります。


( summary )

日頃の飲み物は
ミネラルウォーターを取り入れよう

日常生活での飲み物はミネラルウォーターがおすすめです。

ミネラルウォーターは糖類やカフェインなどの成分が含まれていないため、身体への負担がなく飲みやすいです。

そしてミネラルウォーターの中でも、ナチュラルミネラルウォーターはミネラルが豊富に含まれており、ミネラルは私たちが生きていく上で欠かせないものです。

とはいえ、清涼飲料水も時と場合によっては必要なことがあります。

清涼飲料水の種類はたくさんあり、血糖値が下がりすぎた場合に血糖値を上げて集中力をアップできるものや眠気覚まし、リラックス作用がある飲み物もあります。

また、風味がついた飲み物が飲みたいときもありますよね。

日常の飲み物はミネラルウォーターを取り入れ、時々清涼飲料水を飲むことで、身体のちょうどよいバランスを保てるでしょう。