体によい水を飲みたいと考えたとき、浄水器の設置を検討する方も多いかと思います。
その際に「水道水と浄水はどのくらい違うの?」と疑問を抱くことはないでしょうか。
水道水と浄水の違いがわかれば、浄水器への理解が深まり、あなたにとって必要かどうか考える材料になるでしょう。
そこで今回は、水道水と浄水の違いについて、浄水器の種類から除去できる物質まで詳しく紹介します。併せて浄水器とウォーターサーバーの比較もしているので、ぜひ参考にしてください。

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浄水器で浄水された水は
ほんとに綺麗になってるの?

浄水器で浄水された水は綺麗になっています。
浄水器の中には水道水をろ過するためのフィルターが設置されており、このフィルターによって水道水に含まれる不純物を取り除いています。
日本の水道水は厳しい基準をクリアしており安全性が高く飲めますが、残留物質によるニオイやごく少量の有害物質が含まれていることがあります。
浄水器の働きで、ニオイの原因となる物質や有害物質を除去することができ、安心して飲める水へと変えています。
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浄水器の働きって?
水道水を浄水器でろ過する過程で何を取り除いているのか、代表的なものを紹介します。

塩素を除去し美味しい水に
浄水器のフィルターは残留塩素が除去できるため、塩素のニオイ(カルキ臭)が気にならないおいしい水に変えることができます。
塩素は水を消毒するために欠かせないものですが、多くの塩素が含まれるとカルキ臭が強くなるため、水がおいしくなくなるのです。
しかし、浄水器があると、「味やニオイが苦手」という水道水の問題点を解消してくれて、飲みやすい水になります。
水道管の劣化によるサビをろ過する
鉄製の水道管は経年劣化によりサビていることがありますが、浄水器に通すことでサビをろ過できます。
鉄製の水道管は水道が普及し始めたころから使われました。水道管の耐用年数は40年ですが、40年を過ぎた水道管の取り換えが未だ完了していない地域があります。
そのような地域では、水道水にサビの色である赤茶色が混ざることがあるのです。
もし水道管が劣化していたとしても、浄水器でさびをろ過できるので安心して水を飲むことができます。
有害物質を少なくできる
浄水器を使うことで、水道水に含まれる有害物質が除去できます。
水道水には消毒のため塩素が含まれていますが、消毒の過程でトリハロメタンという有害物質が発生することがあります。
日本の水道法では、水道水に含まれるトリハロメタンの量は人体に影響のない0.1㎎/L以下と厳しい基準が設定されているので安全です。
安全とはいえど「なるべくトリハロメタンを体に入れたくない」と考えている方は多いでしょう。
そのような方には、トリハロメタンが除去できる浄水器がおすすめです。
浄水器は塩素、サビ、トリハロメタン以外にも除去できる物質があります。
次の項目で浄水器にて除去できる物質を紹介します。
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浄水器の除去対象物質
浄水器の除去対象物質は、日本産業規格(JIS)浄水器協会(JWPA)で定められています。
除去対象物質は以下の22項目です。

1. 遊離残留塩素
2. 濁り
3. クロロホルム
4. ブロモジクロロメタン
5. ジブロモクロロメタン
6. ブロモホルム
7. テトラクロロエチレン
8. トリクロロエチレン
9. 総トリハロメタン
10. CAT(農薬)
11. 2-MIB(カビ臭)
12. 溶解性鉛
13. 1,2-DCE
14. ベンゼン
15. ジェオスミン(カビ臭)
16. 陰イオン界面活性剤
17. フェノール類
18. PFOS及びPFOA
19. 鉄(溶解性)
20. 鉄(微粒子状)
21. 溶解性マンガン
22. アルミニウム(中性)
そして、除去対象物質がどのくらい除去されているのかというと「浄水器を通した水は80%以上の除去率を有すること」と定められています。
なお、浄水器の種類によって除去対象物質が異なるため、浄水器を購入する際は「どの物質を除去できるか」確認が必要です。
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浄水器の種類
浄水器はフィルターの種類によって除去できる物質が変わります。
浄水器に使われているフィルターは主に3種類あります。
それぞれのフィルターの特徴と取り除けるものを紹介します。

1.活性炭フィルター
活性炭フィルターはヤシ殻や石炭などを原料とし、高温で加熱することでできる炭です。
ヤシ殻とはアブラヤシという植物の実の殻のことです。
活性炭の表面にはとても細かい穴があり、この細かい穴に水道水に含まれる不純物が引き込まれ逃さないことでおいしい水になります。
活性炭はニオイを除去するため、冷蔵庫やトイレなどの消臭剤としてもよく使われています。
【活性炭フィルターで取り除けるもの】
・残留塩素
・サビ
・トリハロメタン
・農薬
・カビ臭
2. 中空糸膜フィルター
中空糸膜フィルターは細かいストロー状のポリエチレン繊維を束ねており、中が空洞となっています。
表面には活性炭フィルターよりも細かい穴があり、細かい穴に不純物が引き込まれ逃しません。
浄水器はろ過により水量が少なくなるのが一般的ですが、中空糸膜フィルターは構造により水量が少なくなるのを軽減できることが特徴です。
【中空糸膜フィルターで除去できるもの】
・残留塩素
・サビ
・雑菌
・カビ臭
・にごり
3.逆浸透膜(RO膜)フィルター
逆浸透膜(RO膜)フィルターは水分子だけを通すため、かなり純粋に近い水になります。RO膜フィルターは極めて微小な穴をもっており、高圧力で水道水を流すことで微小な穴でろ過できます。
【RO膜フィルターで取り除くことができるもの】
・残留塩素
・サビ
・トリハロメタン
・雑菌
・カビ臭
・にごり
・ミネラル
RO膜フィルターはそのろ過力の高さから、カルシウムやマグネシウムといったミネラル成分も除去します。天然水を通すとミネラルが摂取できないことも覚えておいてください。
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一般的な浄水器とウォーターサーバーの
除去率を比較してみよう
一般的な浄水器は除去率が80~95%、ウォーターサーバーは80~99%の除去率です。
除去率は製品によって異なっており、除去率の高い製品ほど不純物が少なく、より純水に近い水になります。
ただし、浄水器やウォーターサーバーは、定期的にメンテナンスが必要です。
メンテナンスやフィルター交換を怠ると除去効果が低下してしまいます。
ウォーターサーバーですとメーカーにもよりますが、フィルター交換のタイミングになると、メーカーから交換用のフィルターをお届けしてくれるシステムのものがあり、とても便利です。
しかし、水道の蛇口に付ける浄水器やポット型浄水器は個人での管理になるため、自身で定期的なメンテナンスやフィルター交換を意識して行う必要があります。
「より高い除去率の水が飲みたい」「フィルター交換のタイミングを教えてほしい」という方には、ウォーターサーバーが向いているかもしれません。
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水の安全性が気になるなら
ウォーターサーバーを検討しよう

日本の水道水は厳しい基準をクリアしておりそのまま飲んでも問題ありませんが、カルキ臭によりまずく感じることがあります。そして、有害物質が含まれていることも。
有害物質を除去したおいしい水が飲めるよう、浄水器を取り入れるご家庭は少なくありません。
そして、おいしい水を飲めるのは浄水器だけでなく、浄水型ウォーターサーバーもあります。
浄水型ウォーターサーバーは不純物の除去率が高いため、より安心して水を飲めます。
定期的なフィルター交換によって、除去率が下がることなくおいしい水を飲み続けられるのは大きなメリットといえるのではないでしょうか。
浄水器にするか、浄水型ウォーターサーバーにするか。毎日飲む水だからこそ、安心できて使い勝手の良いものを選びましょう。