いつまで安全に飲める?水道水の保存期間や保存するときの注意点

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「水道水の保存期間はどれくらい?」
「水道水を1日持ち歩いても安全?」
「水道水を安全に保存するとき、注意しなくてはいけないことってあるの?」
水道水について、こんな疑問を持ったことはありませんか?

日頃から健康やダイエット、節約のためなど、さまざまな目的で水道水を飲まれる方も多いですが、どれくらい保存期間があることをご存知の方は少ないのではないでしょうか?

水はニオイがないため、雑菌が繁殖しても気付きにくく、雑菌が繁殖した水を飲んでしまうと体調不良になったり、健康に悪影響を及ぼす危険性があります。

本記事では、水道水の保存期間や保存する際に気をつけたいことなどをまとめています。
水道水を安全に飲むため、最後までお読みください。


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水道水って
どのくらい保存できる?

水道水を飲料水として保存する場合、常温で3日間、冷蔵庫での保存で10日ほど保存することができます。

水道水には塩素(塩素系の解毒剤)が含まれており、水の中に雑菌が繁殖するのを防いでくれているので、ある程度保存することができます。

「水道水に塩素が含まれていて健康には害はないの?」と心配になられる方もいますが、日本の水道水は世界的に見ても非常に安全とされており、0.1mg/L以上を保持するように厚生労働省で定められていますので、健康上の問題はありません。

ただし、浄水器を設置している場合や電子ケトルやお鍋などで沸かした白湯は、塩素の効力が弱まってしまうため、長期的に保存することはできないため、早めに飲むようにしましょう。

このような水道水の保存期間については、警視庁のホームページでも情報が公開されています。下記を参考にしてみてください。

「水道水は塩素の効果で雑菌等の繁殖を抑え、常温で3日、冷蔵庫で10日程度(飲用)保存できます。また浄水器を通した水や白湯は塩素の効果が弱まるため長期保存(飲用)には不向きです。災害時の飲用水は長期保存が可能な市販のもの、生活用水は水道水の汲み置きを利用する等、備蓄の参考にしてください。(出典:警視庁 水道水、意外と保存が可能です)」


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水筒やペットボトルは
1日かけて飲んでもいいの?

水道水を水筒やペットボトルに入れて持ち運び、1日かけて飲むという方も多いのではないでしょうか。場合によっては水の中に雑菌が繁殖してしまうため、安全に飲むことができないこともあります。

そもそも、水自体は無機物であるため放置していても腐ることはありませんが、水の中に雑菌が繁殖してしまうと安全に水が飲めなくなってしまいます。

先ほどもお伝えした通り、水道水にはこれらの雑菌の繁殖を防ぐために塩素が含まれていますが、完全に防ぐことはできません。

特に、雑菌の活動が活発になる30℃〜40℃の環境で水道水を保存する夏場、口を付けて水筒やペットボトルから直接水を飲む場合などは雑菌が繁殖しやすくなるので注意しましょう。

とはいえ、キレイに洗った水筒やペットボトルを使用していれば、すぐに雑菌が繁殖するということはありませんので、夏場などの暑い時期を避け、飲み方に気をつけていれば1日を通して安全に飲むことは可能です。


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ペットの水は
1日に1回の交換で安全?

ペットの水に水道水を使用しているという方も多いと思いますが、ペットの飲み水としても水道水は安全です。

先ほどもお伝えした通り、水道水に含まれている塩素は常温ですと、3日ほど保管できますので、1日に1回交換しているのであれば問題なくペットも安全に飲むことができます。

ただし、直射日光にあたる場所に放置したり、夏場の気温が高い場合に1日放置してしまうと雑菌が繁殖してしまいますので、夏場は半日に1回ほど、こまめに交換することが理想的です。


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水道水を保存するときの注意点

水道水を保存するときの注意点は下記の3つです。

1.保存する容器をしっかりと密閉する

水道水に含まれている塩素は外気に触れることで抜けてしまうため、水道水を入れる水筒やペットボトルの容器をしっかりと密閉することが大切です。

カルキが抜けてしまうと雑菌が繁殖するスピードが早くなってしまいます。

2.保存する気温に注意する

先ほどもお伝えした通り、30℃〜40℃の環境がもっとも雑菌が繁殖する温度となるため、水道水はできるだけ温度の低い場所で保存することが大切です。

自宅で保存する場合は冷蔵庫、外出中の場合は直射日光に当たらない気温の低い場所で保存するようにしましょう。

3.保存する容器は定期的に除菌する

水道水を水筒やペットボトルに入れて持ち運ぶ場合、容器の消毒を忘れてはいけません。

容器自体に雑菌が付いていると、容器に入れた水道水にも雑菌が繁殖してしまうため、繰り返し使用する容器の場合は熱湯消毒などを定期的に行い、容器自体にも雑菌を残さないようにすることが大切です。


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保存期間を過ぎた水道水は
飲まないで!

保存期間の過ぎた水道水を飲んでしまうと、さまざまな健康被害が考えられます。具体的には下痢・腹痛・嘔吐・高熱などの症状がよく見られます。

また、空気中に滞在しているインフルエンザウイルスやノロウイルス、コロナウイルスが水道水の中に滞在してしまう恐れもあるのです。

もちろん、水道水に含まれている塩素はこれらのウイルスや雑菌などに効果的ですので、保存期間中であれば安全に飲むことができます。しかし、保存期間が過ぎた水道水や温度の高い場所で保存された水道水、さらには空気に多く触れてしまった水道水を飲んでしまうと、雑菌やウイルスの影響を受けてしまう可能性があります。保存期間をしっかりと守って飲むようにしてください。


( summary )

水道水の方が保存には向いてる!

ここまで水道水の保存期間についてお伝えしてきました。水道水がある程度、保存できる理由は次亜塩素酸カルシウム(塩素系の解毒剤)が含まれているからです。

次亜塩素酸カルシウムは一般的なミネラルウォーターや飲料水には含まれていないため、水道水は保存しやすい水と言えます。

先ほども述べましたが、浄水器を通った水道水は保存には不向きです。

浄水器には、化学物質などを取り除くのと同じように、塩素を取り除く役割があるからです。

保存することを考えると浄水器を通った水より、そのままの水道水が向いています。
すぐに飲む場合ですと、浄水器を通った水の方が、安全性が高まり、より安心して飲める水と言えます。

水道水を上手に使い分けて、おいしく安全に飲んでください。
期間は短くなってしまうもののすぐ飲む場合に関してはより安全に飲むことができるのです。

つまり、浄水器を通した水道水よりもそのままの水道水のほうが保存には向いているのです。