[用語集]ブロモジクロロメタン|身体への影響は?気になる除去方法についても説明

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水道の品質は気になるもの。
本当に身体に安全なのか心配になりますよね。

今回紹介するブロモジクロロメタンという化合物、
ご存じの方はあまりいないと思います。
実はこのブロモジクロロメタンは発がん性や肝臓障害、
腎臓障害などの有害性があると言われています。

この記事では、ブロモジクロロメタンについての説明、
身体に及ぼす影響、水道水に含まれているのか、
そして気になる除去方法について具体的に説明します。


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ブロモジクロロメタンは
消毒副生成物である

  

結論からいうと、ブロモジクロロメタンは消毒副生成物です。  消毒副生成物といっても、なかなか聞きなれない言葉ですよね。ザックリ言うと消毒副生成物とは、水道水中に含まれる塩素と有機物(炭素を含む化合物)が反応して生成される化合物のことです。さらにいえば、水道の浄化過程で生成される化合物ということになります。

ブロモジクロロメタンの場合、フミン酸という有機物が関与しています。フミン酸とは、植物などが微生物による分解を経て形成された腐植物質です。

消毒副生成物は水温や有機物の量、水の停滞時間、残留塩素の量によって量が変わり、一部の消毒副生成物は健康に害を及ぼしたり、発がん性が疑われたりする物質も含まれます。

代表例としてはトリハロメタンやハロ酢酸などがあります。

またブロモジクロロメタンは、上記のトリハロメタンのカテゴリにはいります。トリハロメタンは水道水の塩素消毒によって生成される化学物質の総称です。日本の水道水基準では、トリクロロメタン(クロロホルム)、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、そしてブロモジクロロメタンを総トリハロメタンという検査項目名で定義しています。


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ブロモジクロロメタンの
人体への悪影響2つ

  

ブロモジクロロメタンはトリハロメタンの一種ということが分かりました。前述とおりトリハロメタンは有害物質なので、ブロモジクロロメタンの有害性についても気になりますよね。研究により経口摂取では主に2つの有害性があることが判明しています。

   

発がん性

ブロモジクロロメタンは、動物実験で発がん性が確認され、ヒトにも発がん性があることが示唆されています。WHOによると1999年に区分2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない)とされています。

ただ実質ヒトへのリスクに関して、有力なデータはいまのところ存在しません。また経口摂取以外での、健康への影響は十分に調査されていません。

   

臓器毒性

国立医薬品食品衛生研究所によると、ブロモジクロロメタンは長期に渡って経口摂取を続けると腎臓や肝臓に機能障害を生じることがあるとされています。また厚生労働省によると甲状腺に影響する可能性についても書かれています。

これもヒトでの研究データではありませんが、このようなデータが存在すると、少し心配になりますよね。


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ブロモジクロロメタンは
法律で規制されている

 

上記有害性の懸念より、日本では4つの法律で規制されています。それぞれ以下の通りです。  今回は水道法のみ簡単に触れます。

・化管法
・大気汚染防止法
・水道法
・労働安全衛生法

水質については水道法により規制されており、ブロモジクロロメタンの濃度は1リットルあたり0.03mg以下でなければならないと明記されています。そしてこの基準を超えていた場合は、追加で処理を行い基準値以内まで下げます。

ちなみに水道法とは、日本の上水道事業について定めている法律であり、公衆衛生の向上と生活環境の改善を主な目的としています。


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水道水にブロモジクロロメタンは存在する

     

ブロモジクロロメタンは水道水に必ず含まれる、塩素と有機物の化合物なので基本的には水道水に存在します。各自治体の水質調査の結果を見るとだいたい、規制値の10%程度が多いようです。そのため気にしすぎる必要はなく、水道中に含まれるブロモジクロロメタンはごくわずかであるといえます。


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ブロモジクロロメタンの
家庭で行える除去方法3選

  

日本では十分な処理がされているとはいえ、不安になった方もいるのではないでしょうか。ここでは自宅でもできるブロモジクロロメタンの除去方法について紹介します。

 

沸騰

まずは沸騰、手軽に家庭で実施が可能です。ただし、一点注意があり、ブロモジクロロメタンなどのトリハロメタンの量は水温上昇により増加する性質を持っています。つまり煮沸が不十分だと濃度が逆に上昇してしまう可能性があります。

半面ブロモジクロロメタンは揮発性であり、沸騰させると気体となり徐々に取り除けます。そのため、10分以上煮沸するようにしましょう。

 

浄水器

浄水器を使えば手軽にトリハロメタンを除去した水を飲むことができます。ただし、ろ過材は定期的に交換する必要があります。交換を怠ると、除去した不純物が再び混入し、水道水よりも不純物が多い水を飲むことになります。

また、浄水器は消毒用の塩素も除去してしまいますので、早めに飲みきることがおすすめです。

浄水型ウォーターサーバー

水道水を補給するタイプの浄水型ウォーターサーバーは、手軽にブロモジクロロメタンを含む不純物を除去した水を飲むことができ、他の不純物も効果的に取り除かれます。

ただし浄水器と同様、定期的なカートリッジの交換が必要です。

(summary)

まとめ

今回はブロモジクロロメタンと言う化合物について説明しました。
そして以下のことが分かったと思います。

・ 水道中の塩素と有機物の反応で生成される化合物である
・ 動物実験の結果、発がん性、臓器毒性の懸念がある
・ 水道中に存在するが、日本では十分な除去処理がなされている
・ 煮沸、浄水器などで手軽に除去できる

ブロモジクロロメタンは日本に在住している限り、十分な除去処理がなされており、身体への悪影響を気にする必要はほとんどありません。

どうしても気になる人は手軽に除去が可能なので今回お伝えした方法を試してみてください。ただし沸騰で除去する際は注意点があるため、浄水器、ウォーターサーバーを利用するのが簡単でしょう。