ブロモホルムは別名トリブロモメタンといい、
水道水中に含まれる化合物のひとつです。
つまり身体の中に入る可能性がある物質です。
どのようなものか知っておきたいですよね。
この記事では、ブロモホルムが一体なんなのか、
身体への影響、気になる除去方法についても、
具体的に説明していきます。
水道水についての知識を深めて、
より健康的な生活にお役立てください。

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ブロモホルムは水道法の規制対象物質
ブロモホルムは特徴的な臭気があり、無色の液体です。光や空気にばく露すると黄色に変化します。
ブロモホルムはトリハロメタンの一種です。主に動物実験などで毒性が確認されているため、日本では法律によって規制を受けている化合物です。
また水道副生成物に分類されています。水道副生成物とは、水道水中の消毒成分である塩素と有機物の反応で生成されるものです。
ブロモホルムは水道法よる規制がされており、1Lあたり0.09㎎の水質基準が設けられており、これを超えると適切な方法で除去処理がなされます。この値はWHOの1Lあたり0.1㎎以下という規制よりも、更に厳しい値です。
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研究を参考に、
ブロモホルム3つの危険性
ブロモホルムには以下の危険性があることが研究で分かっています
・発がん性
・生殖毒性
・特定臓器への毒性
中でもヒトに対しての肝臓毒性、呼吸器毒性は強く、用量によっては非常に危険な可能性があります。詳しく見ていきましょう。
発がん性
ブロモホルムの発がん性について、各研究機関で次のような分類がなされています。国際がん研究機関(IARC)によると分類3(ヒトに対しての発がん性については分類できない)と区分されます。しかしある研究では、「動物実験で発がん性があり」としているためGHS分類2(飲み込むと非常に危険)とされています。この結果だけみると人間での発がん性の懸念はほとんどないのですが、なるべくなら摂取したくないものです。
生殖毒性
動物実験の結果ですが、2004年のCERI・NITE有害性評価 No.38によると母親となる動物に毒性量を投与したところ受精卵が全て死亡するという結果が得られました。このためGHS分類は区分2(飲み込むと非常に危険)に設定されています。
特定標的臓器毒性(単回ばく露)
ブロモホルムは2004年のCERI・NITE有害性評価No.38によると、ヒトへの強い肝障害、脳の機能抑制、肺気腫の可能性があると言われています。このことより肝臓、神経系、呼吸器への影響としてGHS分類の最高ランク区分1(飲み込むと非常に危険)が設定されています。
ここでとても気になるのが動物実験から危険性を予想しているのではなく、研究結果に「ヒトへの影響」が明確に書かれていることです。GHS分類も最も危険な区分に設定されており、とても不安な要素ですね。
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ブロモホルムは
水道法以外の法律でも規制されている
ブロモホルムの危険性について、規制区分を調べた結果とても不安になった方も多いかもしれません。しかし、日本では非常に厳しくブロモホルムは規制されています。
国連GHS判定基準に準拠すると、飲み込むと有害であること、神経系及び肝臓の障害のおそれがあることなど、身体へ悪影響があると分かります。そのためブロモホルムは以下の法律で規制されています。
・化管法
・労働安全衛生法
・航空法
・船舶安全法
・化審法
以上より、ブロモホルムは水道法以外の法律でも厳しく規制されているということが分かります。
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ブロモホルムは水道水に含まれる
結論、ブロモホルムは水道水に必ず含まれます。理由は水道水に必ず含まれる塩素が反応して生成される化合物だからです。
WHOよりも厳しい基準が設けられているブロモホルムですが、厚生労働省の調査によると浄水の97.7%は基準値の10%以下という、ごく少量ですが、0.02%の確立で90%を超過していました。ただ基準値以下ですし、ほとんど気にする割合ではありませんが、基準値に近い量が検出されたというのは気になりますね。
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家庭でブロモホルムを除去する方法がある
非常に厳しい基準値が設定されており、それをクリアしている水道水が安心なのではよくわかっていますが、ここまでの話で少し不安になった人もいるでしょう。ここではそういう不安な人のために、ブロモホルムを家庭で除去する方法について具体的に紹介します。
沸騰
ブロモホルムを除去するためには、沸騰させるのが効果的です。家庭でも簡単にできますが、注意が必要です。ブロモホルムを含むトリハロメタンは温度が上がると増える性質があるので、完全に沸騰させないと逆に濃度が高くなる可能性があります。
しかし、安心してください。ブロモホルムは気体になりやすいので、沸騰で簡単に除去ができます。濃度が高くなるリスクがあるので、必ず10分以上沸騰させてください。
浄水器
浄水器を使えば、簡単にブロモホルムを取り除いた水を飲むことができます。ただし、ろ過材は定期的に交換しなければなりません。交換を怠ると、以前に取り除いた不純物が再び混入し、水道水よりも不純物が多い水を飲むことになります。
また、浄水器は消毒用の塩素も取り除いてしまいますので、早めに飲みきることがおすすめです。
浄水型ウォーターサーバー
浄水型ウォーターサーバーを使用すれば、簡単にブロモホルムを含む不純物を取り除いた水を飲むことができます。さらに、他の不純物も効果的に除去されます。ただし、浄水器と同様に、定期的なカートリッジの交換が必要です。
要点は浄水器と同じですが、こちらはフィルターの定期交換があるので、安心材料と言えます。
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まとめ

今回はブロモホルムと言う化合物について説明しました。そして以下のことが分かったと思います。
・ ブロモホルムは法律によって規制されている
・ 臓器毒性が非常に高い可能性がある
・ まれに水質基準近い値が検出される
・ 浄水型ウォーターサーバー、煮沸などで除去が可能
日本の水道水は非常に厳しい基準があるので、ほぼ心配はいりませんが、基準値近い値が検出されることもあり、不安に思われる人がいても無理ありません。
どうしても不安に思われる方は、浄水型ウェーターサーバーや沸騰消毒で簡単に除去できるので試してみてください。